CNFとは?
WHAT’S
CNF
CNF(Cellulose Nano Fiber)は、植物が原料の極めて細かい繊維でできた素材です。植物の主成分であるセルロースを、ナノメートル(1ミリの100万分の1)単位まで細く割いた繊維状の物質であることから、この名で呼ばれています。セルロースの主成分は炭水化物で、木材などに含まれる食物繊維の一種。植物繊維は古くから紙の原料として利用されています。
CNFは環境にやさしい
天然物でありながら、
軽い、強い、吸水性が高いなど、
さまざまな特徴があります。
-
-
軽量・高強度
PPへの配合で、軽量化・高強度化
-
高弾性率
一般的なPPでセルロース濃度10%に希釈した時の物性値で弾性率が向上。
-
チキソトロフィー性(粘性変化)
力を加えると液状になり、放置すると粘性が戻る性質です。
-
-
-
高比表面積
1グラムあたり250㎡という大きな比表面積(重量あたりの表面積)です。
-
高い透過性
超微細繊維なので、気体に対する抵抗や圧力損失が低いです。
-
ガスバリア性
表面をCNFでパッキングすることでガスバリア性につながる可能性があります。
-
-
-
透明性
繊維の直径が光の波長よりも短いので、乱反射しません。
-
耐熱性
一般的なPPと配合する際の融合時に200℃前後まで対応可能。
※諸条件により異なります。 -
低線膨張率性
-
CNF FORM
-
CNF
複合樹脂
ELLEX-R67最終製品の樹脂設計の自由度を高められます。
-
水分散液
ELLEX-S製紙会社の強みを生かし原料は化学パルプ、機械パルプや古紙パルプも選択可能です。
-
乾燥体
ELLEX-P凝集を抑制する処理を施した乾燥体です。
-
高透明度
CNF
ELLEX-☆「亜リン酸エステル化法」で製造し、繊維幅が小さく高い透明性を有します。
-
高透明度
CNF
ELLEX-C「亜リン酸エステル化法」とは異なる、新たな技術を用いて微細化しました。
EXPECTATION
多くの利点を備えたCNFは、多種多様な用途に使われることが期待されています。
その分野を大別すると、
01
水溶性の状態で使われる水系の用途
02
他の素材に混ぜて使われる複合材料用途
になります。
-
01
水系の用途
増粘と流動を両立する特性(チキソトロフィー性)を活かし、塗った後の液だれを抑制して化粧品や塗料の塗りやすさを向上。
-
02
複合材料用途
自動車の内外装や自動車部品
建築における建材や内装材
家電の筐体(きょうたい)
-
産技研と共同で
NEDOプログラムに参画大王製紙は、CNFの新たな用途開発として、産業技術総合研究所等との共同研究を開始しています。開発テーマは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」に採択されています。
-
CNF複合樹脂
パイロットプラント稼働大王製紙は2022年3月から、CNF複合樹脂の製造技術の確立を目的として、三島工場にパイロットプラントを設置し、稼働を開始。原料である木材チップからCNF生成までの一貫製造を実現しています。
2025年度中には2,000トン/年の大型プラントを開発します。 -
CNF素材のサンプル提供
大王製紙は、CNFのサンプル提供(水分散液、粉末、ペレット)を開始し、今後の実用展開に向けた用途展開を図っています。TKKは提供および販売の窓口になっています。