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高感度なRFIDなら、離れていても「ピッ」

高感度なRFIDなら、離れていても「ピッ」

買った商品データを一瞬ですべて読み取った!

先日、都内のアパレル小売店で子どもを連れて買い物をしたときのことです。幼い子どもは、セルフレジで商品データをスキャンするのが大好き。リーダーをバーコードに当てたときの「ピッ」という音が楽しんでいました。これは二次元バーコード店でのお話です。
今度は別の、ちょっと規模の大きなお店での出来事。こちらではレジに商品を入れたカゴを置くだけで、すべての商品データを読み取ってしまいました。全部です。これには私がびっくり。タグには買った商品名、点数、価格の情報が入っているらしく、しかもユニークコード(「重複しない数字の並び」を意味するIT用語の一つです)なので、重複して商品を読み取られることもありません。かかった時間は3秒程度でしょうか。「ピッ」がたくさん聞けることを楽しみにしていた子どもは、ちょっとつまらなそうでした。

短時間で、正確に、少ない人数で一括チェック

私が驚いた読み取りを実現しているのが、「RFID」です。RFIDでどんなことができるのか。アパレル小売店を例に、簡単に説明しましょう。
商品には商品タグ(「タグ」には 値札、ラベル、荷札などの意味があります)が付いていていますが、二次元コードでは商品タグを一つずつ手に取ってスキャンする必要がありました。そのため在庫チェックなどに時間かかかり、読み取りモレが発生することもあります。便利そうなシステムですが、課題もあったのです。
しかしRFIDは複数の商品タグを一括して読み取れます。しかも、対象商品が離れたところにあっても読み取ることができるので、棚の高い場所にある商品やダンボール箱の中に入っている商品でもタグを読み取ります。
こうした特徴から、商品チェックにかかる作業時間は大幅に短縮され、しかも正確です。さらに、作業に必要な人員を減らすことができるなど、多くのメリットがあります。

RFIDの通信距離は年々伸びている

RFIDはRadio Frequency Identificationの略語。ICタグと専用のRFIDリーダー(読み取り機器)の間で電磁波や電波を送受信し、非接触でICタグの情報を読んだり書き換えたりするシステムのことです。具体的な情報の流れは次の通りです。

  1. RFIDリーダーのアンテナから電波を送信。
  2. ICタグのアンテナが電波を受信してICチップが動作。
  3. ICチップ内のコード情報を信号化してアンテナから送信。
  4. RFIDリーダーのアンテナで信号を受信。
  5. RFIDリーダーを介してパソコンやスマートフォンなどのモバイル端末に情報転送。

煩雑なようですが、この流れが1秒間に何度も実行されます。 通信距離、つまりRFIDが届く距離は、短いもので10cm前後、長いもので10m(読取り時)といわれ、技術革新によってその通信距離は年々少しずつ伸びています。

日常使いの交通系ICカードや電子マネーにもRFID

RFIDはアパレルや小売業で普及しています。私たちとの日常生活ともすでに深くかかわっていて、交通系ICカードや電子マネー、カードキーなどで利用されています。通勤通学で改札を通るときの「ピッ」には、RFIDの技術が使われています。
また、物流・流通現場、製造工場、事務所、病院、資産・備品管理、書類管理などの場面でも利用され、成果をあげています。

お酒を楽しく飲めるのはRFIDのおかげ?

2024年7月3日に発行された新紙幣には、偽造防止策として肖像画が浮き出て動く3Dホログラムが採用されています。紙幣に限らず市場には模造品がはびこり、一般の人は真贋の見分けがつかなくなっています。こわい世の中です。
実は商品の真贋判定にもRFIDが利用されています。例えば日本酒です。酒造業界ではICタグを酒瓶ラベルの裏側に貼り付けました。未開封のお酒のキャップが開けられたりラベルが剥がされたりするとタグが脱線するので、スマホをかざすと専用のサイトに接続されて「そのお酒は開封済み」だとわかる仕組みです。正真正銘のうまい酒を楽しめるようになって、私もひと安心です(下戸ですが)。

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